【2月20日 AFP】超大質量ブラックホールを取り巻く塵(ちり、固体微粒子)とガスの円環構造「活動銀河中心核(AGN)」の詳細な画像が初めて捉えられた。16日の英科学誌ネイチャー(Nature)に研究論文が掲載された。宇宙で最も明るい天体の一種、AGNの仕組みと作用に関する理解を深める助けになる成果だ。

 棒渦巻銀河「メシエ77(M77NGC1068)」の中心部にあるこの銀河核の明るさは、銀河本体の明るさを大きく上回る。M77は、くじら座の方向約4700万光年の距離にある。

 オランダ・ライデン大学(Leiden University)のビオレタ・ガメス・ローザ(Violeta Gamez-Rosa)氏率いる天文学者チームは、200年以上前に発見されたM77の中心核を、欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLT(Very Large Telescope)干渉計を用いて極めて詳細に観測。超大質量ブラックホールを覆い隠している塵とガスの分厚いリング構造の検出に成功した。

 研究チームは、ブラックホールが存在するはずの位置も特定した。今回の発見により、タイプの異なるAGNの存在を統一的に説明できる構造モデルを裏付ける重要な証拠がもたらされる。(c)AFP