【2月19日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

英工業地帯に変化の風…風力タービン製造で緑の革命

 英イングランド北部、ハンバー(Humber)川の岸辺にあるハル(Hull)。かつて水産業で栄えたこの都市では今、緑の革命を起こすべく、風力タービンのブレード(羽根)が製造されている。

 風力タービンブレードの英最大の生産工場があるこの都市は、英政府が目指す炭素排出削減に向けた長期的な取り組みの中心地となった。

 スペインの風力発電設備メーカー、シーメンスガメサ(Siemens Gamesa)は2016年、英港湾運営事業者アソシエーテッド・ブリティッシュ・ポーツ(ABP)と共同でハルにブレード製造工場を建設した。

 この工場では年間約300枚のタービンブレードを生産。各ブレードの長さは81メートルで、エアバス(Airbus)A380型機の翼長に匹敵する。風力タービン1基にはブレード3枚が使用され、1回転で平均的な世帯における1日分の発電が可能だ。

英イングランド北部ハルにあるスペインの風力発電設備メーカー、シーメンスガメサの工場で製造された風力タービンブレード(2022年1月28日撮影)。(c)Paul ELLIS / AFP

コアラを「絶滅危惧種」指定 豪東部

 オーストラリアは11日、東岸一帯に生息するコアラを「絶滅危惧種」に指定した。コアラは森林火災や開発による生息地の減少、干ばつ、病気などの影響を受けている。

 東岸部のコアラは約10年前に「危急種」に指定された。

 世界自然保護基金(WWF)のオーストラリア支部に所属する専門家、スチュアート・ブランチ(Stuart Blanch)氏は「コアラは10年もたたないうちに、指定なしから危急種、危惧種になった。衝撃的な速さで生息数が減少している」と指摘する。

 政府の絶滅危惧種科学委員会は、2001年には18万5000匹いたコアラが、21年には9万2000匹にまで減少したと推計している。

オーストラリア・ポートマッコリーのコアラ病院で、治療を受けるコアラ(2019年11月2日撮影)。(c)Peter PARKS / AFP

南アフリカで国勢調査、ホームレスの人たちに聞き取り

 南アフリカで今月3日から28日まで、10年に一度の国勢調査が行われている。

 3日午前0時、詳細な質問票を携えた16万5000人の実地調査員が街に出て調査を開始。ヨハネスブルクでは、約20人のホームレスの人たちが身を寄せ合う一角に調査員らが赴いた。

 2011年の国勢調査では相当数の国民が調査から漏れていたとみられている。2016年の推計によると南アフリカの総人口は5570万人。2015年の推計では、同国のホームレス人口は20万人とされている。

南アフリカの首都プレトリアで、ホームレスの人たちの調査を始める前に、タブレット端末を操作する国勢調査の実地調査員ら(2022年2月2日撮影)。(c)Phill Magakoe / AFP

宝石のように輝く地球…プラごみから制作 アートで環境問題考える

 エルサレム(Jerusalem)の水族館で、地球を宝石に見立てた作品が展示されている。イスラエル人アーティスト、ビバリー・バラカト(Beverly Barkat)氏による作品で、プラスチックごみをリサイクルして制作されたものだ。

 作品は、外から見るとまるで宝石をちりばめた地球のように見えるが、内側からはそれが海洋に漂うプラスチックごみであることが分かる。地球環境問題に対する関心を高めるのが狙いだ。

企画展「アース・ポエティカ」の地球を宝石に見立てた作品。プラごみを材料に制作された。エルサレムで(2022年2月6日撮影)。(c)MENAHEM KAHANA / AFP

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