【2月16日 AFP】(更新)北京冬季五輪は15日、フィギュアスケート女子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、大会前の禁止薬物陽性が判明しながらも出場が許可されたロシア五輪委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)が、82.16点で首位発進した。

 80.20点で同じくROCのアンナ・シェルバコワ(Anna Shcherbakova)が続き、15歳のワリエワは接戦の中で17日に行われるフリースケーティング(FS)を迎える。79.84点の坂本花織(Kaori Sakamoto)が3位、3回転アクセルで転倒があったROCのアレクサンドラ・トゥルソワ(Alexandra Trusova)は4位となった。

 ワリエワは首位に立ったものの、点数は団体戦で同じ演技をした際のスコアを8点下回った。決意を持った面持ちで演技を始めたが、先週のような洗練された滑りではなく、演技を終えると息を切らし、涙を流した。

 その後、心を落ち着けてリンクを離れたが、それでも動揺している様子を見せた。報道陣の取材には応じず、ティッシュの箱をつかんですすり泣きながら、チームのメンバーに囲まれて記者の前を素通りした。

 樋口新葉(Wakaba Higuchi)は73.51点で5位、河辺愛菜(Mana Kawabe)が62.69点で15位につけている。

 ワリエワは今大会で金メダル獲得が有力視されていたが、開幕から1週間後、禁止薬物の「トリメタジジン(Trimetazidine)」の陽性反応が昨年12月に出ていたことが判明した。トリメタジジンは通常、狭心症の治療薬として使われるが、持久力を高める効果もある。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、ワリエワの競技継続を認める裁定を下した。だがドーピング問題が解決したわけではなく、後日に罰則が科される可能性も残っている。(c)AFP