【2月19日 CGTN Japanese】中国ハルビン工業大学環境学院の馬軍(Ma Jun)院士のチームはサウジアラビア・アブドラ王立科学技術大学(KAUST)の頼志平(Lai Zhiping)教授のチームと共同で難関に挑み、水処理膜技術の研究分野で重要な突破を遂げ、その成果は先日海外の定期刊行物「アドバンスド・マテリアルズ」で発表されました。この研究は、通り抜け率の高い多細孔グラフェン膜を合成し、低品質熱源を用いて効率的で持続可能な海水淡水化を可能にしました。

 世界の深刻な水資源の不足と現在の海水淡水化技術のカーボンフットプリント(Carbon Footprint)の多さによって、低エネルギー消費で持続可能な解決策が求められています。膜蒸留(MD)は熱を利用して水蒸気を駆動して膜を通過させ、高品質の純水を得ることから、応用の見通しが明るい海水淡水化技術とされ、多くのゼロ排出の淡水化技術におけるコア技術でもあります。しかしMD技術は通り抜け率の低さが応用の広がりを制限する主なボトルネックです。

 これに対して研究チームは、通り抜け率の高い多細孔グラフェン膜を製造する新技術を提案しました。2回目の穴開けと移動過程を必要としないため、水蒸気が通り抜けるのに短時間、スピーディーな経路が提供され、これまで報告されたMD膜より通り抜け率が1桁高く、脱塩率は99.8%以上に達し、海水淡水化において大きな応用潜在力と優位性を示しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News