■数世紀は枯渇しない

 そうした中、昨年のニーラゴンゴ山の噴火で湖沼噴出の恐れが再燃した。噴火で地震が起きる中、溶岩流で32人が死亡し、建物数百棟が破損した。

 発電所の閉鎖も検討された。しかし技術者らは冷静さを保った。

 キブワットは、ルワンダの年間消費電力量の約30%を供給している。操業が停止していれば、ルワンダに大きな打撃となっていた。

 2015年にキブ湖の発電事業を立ち上げたのは、キブワットの親会社に当たる米エネルギー企業コントゥアグローバル(ContourGlobal)だ。当初は発電容量を26メガワットから100メガワットに増やす方針だった。

 今は別の企業が独自のガス抽出で、56メガワット規模の発電事業を検討している。一方、コンゴ側では同様の計画は当面ない。

 キブ湖にたまっている膨大なガスが枯渇する時期は、抽出の速度にかかっているとスイス連邦水科学技術研究所(Eawag)のマルティン・シュミット(Martin Schmid)研究員は言う。「よくわかりませんが…キブワットの事業だけだと、湖のメタンが本当に減るには何世紀もかかるのではないでしょうか」 (c)AFP/Marion DOUET