【2月14日 People’s Daily】「キャロットラン(Carrot Run)」というアプリをダウンロードし、入力した個人情報がシステムの査定を通れば、おおむね10分で青と白のタクシーがやってくる。北京のIT企業に勤める郭宇(Guo Yu)さんは、上海を訪れた際にバイドゥ(百度、Baidu)が展開する無人タクシーサービスを利用した。

「自動運転プラットフォームが上海で正式に始動されたと聞いて、試したいと思っていました」。郭さんが車の後部座席に乗り込み、シートベルトを締め、前方にあるタブレットの音声案内に従って行き先を確認すると、車は自動で2~3㎞の道のりをごく安全運転で走ったという。上海はバイドゥの自動運転サービスがローンチされる5番目の都市で、今年は第3シーズンに当たる。

 自動運転は人工知能の交通輸送に応用した例である。中国では以前から、人工知能は工業・医療・教育・文化旅行・都市管理・金融などの各分野と深く結びつき、新しいシーンでの応用が絶え間なく開拓されてきた。

 中国における人工知能の急速な発展は、中国がスマート産業の発展を重視し、スマート経済の形を育てることに注力してきたことの縮図である。近頃開催された中央経済工作会議では、デジタル化を加速し、従来型産業のアップグレードを促すことが提唱された。「第14次5か年計画」の始まりに向けて、中国は積極的にデジタルの産業化と産業のデジタル化を進め、それを破竹の勢いで成長するスマート経済と深く融合させることに力を入れる。

 中国一重集団も各部門でスマート化を進めている企業のひとつだ。チャイナモバイル(China Mobile)と中国一重は提携して5G・クラウドコンピューティングなどの情報技術を運用し、重工業の特性に合った工業用インターネットプラットフォームの建造を行っている。同社のデジタル化圧延製造工場の劉治国(Liu Zhiguo)副工場長によれば、デジタル化した型板工場では34台の機械が続々とスマートネットワークへの接続を果たしており、プラットフォームを通じて生産データが集中的に採集され、まとめられ、分析され、提示される。劉治国氏の説明によれば、工業インターネットとスマート技術によって、生産管理コストは20%下がり、生産周期は30%短縮され、生産収入は10%上昇した。

 現在、中国で影響力を持つ工業インターネットプラットフォームは100を超え、ネットワークにアクセスしている機械は7600万台を超え、製造業における重点領域ではデジタル化が着々と進んでいる。

 また現在、中国には世界の5G基地局の70%が集中しており、主要な都市と地方中小都市のうち97%、地方の小規模な町村のうち40%を5Gがカバーしている。5G技術の迅速な普及が新しい需要や消費、生活をもたらしている。(c)People’s Daily/AFPBB News