【2月13日 AFP】北京冬季五輪のため、英国からトリニダード・トバゴへの国籍変更を決断したボブスレー男子2人乗りのアクセル・ブラウン(Axel Brown)は、大会に向けて相棒を探す必要があった。そこで、英ラフバラ(Loughborough)に住むパイロットのブラウンは、インスタグラム(Instagram)を頼って大西洋の向こう側にいるブレーキマンを探した。

 12日の公式練習を終えたブラウンは、「DM(ダイレクトメッセージ)を使った」と説明し、「国として、トリニダード・トバゴには非常にスピードがあるのは分かっていたから、メンバーを探し始めた」と続けた。

 そうして見つけたのが、米ニューヨークで体育教師として働くアンドレ・マルカノ(Andre Marcano)だった。ブラウンは、足が速く、ボブスレー向きの十分な体重があるマルカノに声をかけた。

 ブラウンはマルカノがうたぐり深かったとしつつ、「少し粘る必要はあったが、五輪に出られたわけだからうまくいったということだ」と話す。

 マルカノがボブスレーの練習を始めたのは昨年10月からで、それどころか実際にそりに乗ったのは大会に向けて中国入りした後だった。マルカノは「前は見えないが、彼を信頼する必要がある」と話している。

 中米のボブスレーという意味で、北京五輪で最も注目を集めるのは映画『クール・ランニング(Cool Runnings)』でも描かれて以来の伝統があるジャマイカだろうが、トリニダード・トバゴの選手が冬季五輪に出場するのも今回が20年ぶりとなる。

 14日から始まる予選を前に、二人も自分たちが表彰台に遠く及ばないことは自覚している。最終4回戦へ勝ち進めるのは30チーム中20チームという中で、ブラウンは「僕らの壮大な目標、自分たちにとっての金メダルと言えるのは、トップ20に入って4本目を滑ることだ」と話した。(c)AFP