【2月12日 AFP】フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア五輪委員会<ROC>)のドーピング陽性が判明して、北京冬季五輪で物議を醸していることにより、同選手のコーチ陣には厳しい視線が向けられている──その筆頭がエテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Tutberidze)氏だ。

 11日にワリエワの薬物検査陽性が発覚して大会追放の可能性が出てくると、ロシア国内では「恥を知れトゥトベリーゼ」のハッシュタグがツイッター(Twitter)上のトレンドになり始めた。

 ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は「当該選手のスタッフに対して、調査が開始された」と発表。47歳のトゥトベリーゼ氏の名前は記されておらず、同氏による不正行為を示すものは何もなかったが、評判の厳しい指導法に対して新たな注目が集まることになった。

 15歳のワリエワをはじめ、チームメートで17歳のアレクサンドラ・トゥルソワ(Alexandra Trusova)とアンナ・シェルバコワ(Anna Shcherbakova)は、ともにトゥトベリーゼ氏の門下生として今大会の女子シングルを席巻すると期待されてきた。

 その冷徹な振る舞いや有無を言わさぬ指導法で「氷の女王」と呼ばれているトゥトベリーゼ氏は、自国開催となった2014年ソチ冬季五輪で一躍脚光を浴びた。

 同大会の団体戦では、当時の教え子だった15歳のスター選手、ユリア・リプニツカヤ(Julia Lipnitskaia)氏がロシアの金メダル獲得に貢献。それ以降、トゥトベリーゼ氏は世界で引く手あまたのコーチの一人となった。

 さらに2018年平昌冬季五輪でも、同氏に師事する2人が女子シングルで圧倒的な強さを発揮。アリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)が金メダル、エフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)が銀メダルに輝いた。