【2月11日 AFP】ロシア大統領府は11日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が首都モスクワでウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した際、両首脳の間に長いテーブルが置かれた理由について、ロシア側が要求した新型コロナウイルス検査をマクロン氏が拒否したためと説明した。

 マクロン氏は7日、ロシアによるウクライナ侵攻の懸念が広がる中、緊張緩和を目指してモスクワを訪問。両首脳は大統領府で、異様に長いテーブルの両端に着席した。

 この長テーブルはインターネット上で嘲笑の的となった。その3日後には、プーチン氏が友好国カザフスタンの大統領と小さなテーブルを挟んで座ったことで、さらに注目を集めた。

 ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、マクロン氏の前に巨大なテーブルが置かれることになった理由について、同氏がロシア側の医務官による新型ウイルス検査を拒否したためだと明かした。

 ペスコフ氏は、ここに政治的な意図はなく「交渉の妨げには決してならない」と説明。両国の医務官同士の協力が得られれば、プーチン氏は来訪者と間近でコミュニケーションを取り、握手をすると述べた。

 一方、匿名で取材に応じたフランス大統領府の関係筋は、ロシア側が要求したPCR検査の条件をめぐって問題が生じたことを認めた。ただし詳細については明言を避けた。

「長テーブル外交」は今回だけではない。ハンガリーのオルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相やイランのエブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)大統領が今年初めにロシアを訪問した際にも、プーチン大統領と距離を置いての着席が求められていた。

 国産ワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」を接種している69歳のプーチン氏を新型ウイルス感染から守るため、大統領府は極限の保護策を講じている。(c)AFP