字幕:ビデオグラフィック「棚氷の重要性」
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【2月20日 AFP】棚氷とは、陸地の氷床が海に張り出して浮いている部分のことだ。
多くは南極大陸沿岸にあるが、グリーンランド(Greenland)やカナダ、ロシアでも見られる。
棚氷は、巨大な氷床から氷河として流れ出た氷によって形成される。
もし海水温が十分低ければ、氷河に押し出された棚氷が解けることはない。
時間とともに棚氷は大きくなるが、縮小することもある。最近まで棚氷の減る量と増える量はおおむね均衡が取れていた。
だが、今では氷は急速に解けており、特に南極での融解が著しい。専門家らは、背景に気温と海水温の上昇があるとしている。
暖かい空気は棚氷の表面を解かして水たまりにし、流れ落ちる水によって小さなひび割れが大きくなる。また、棚氷の下を循環する温かい水が氷を下から解かし、さらにひび割れを大きくする。
その結果、氷の塊が棚氷から分離して氷山となる。この現象をカービング(氷山分離)という。
棚氷を崩壊させないことが極めて重要だと専門家らは指摘する。棚氷がなければ氷河が海に流れ出る速度が上がり、急激な海面上昇を引き起こす恐れがあるからだ。(c)AFP