【2月11日 AFP】エイズウイルス(HIV)を共同発見し、2008年にノーベル医学生理学賞(Nobel Prize in Physiology or Medicine)を受賞したフランスの科学者、リュック・モンタニエ(Luc Montagnier)氏が8日、死去した。89歳。

 モンタニエ氏が入院していた病院がある仏パリ近郊ヌイイシュルセーヌ(Neuilly-sur-Seine)の市長が10日、日刊紙リベラシオン(Liberation)などの報道内容を認め、同氏の死亡証明書を入手したと述べた。

 モンタニエ氏は、HIVをフランソワーズ・バレシヌシ(Francoise Barre-Sinoussi)氏と共同発見した。しかし後年、ワクチンに反対するなどとっぴな主張を発信し始め、科学界から異端視されるようになった。新型コロナウイルスの流行が始まってからは、同ウイルスは人工的に生み出されたものであり、変異株の発生はワクチンが原因だといった持論を展開。ウイルス学者や疫学者からは否定され、科学界での孤立を深めたが、フランスの反ワクチン派の間では大きな人気を集めた。(c)AFP