【2月11日 AFP】フランス・パリで11日、カナダの首都オタワで新型コロナウイルス規制に反対するトラック運転手が続けている「自由の車隊(Freedom Convoy)」デモに触発された人々が、集会を計画している。これを受けパリ警察は10日、参加者による道路の封鎖を禁止すると警告した。

 11日の集会では、新型ウイルス対策や、エネルギー価格の高騰による生活費の上昇に不満を募らせる国民が、国内各地からパリに集結し、抗議の車列をつくる予定で、2018年に同国を揺るがした「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動を想起させている。

 黄色いベスト運動では、社会格差に対する抗議が騒乱に発展し、同国は毎週末、一部まひ状態に陥った。4月の大統領選で再選が有力視されているエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領にとって、同運動の再燃は何としても避けたいものとなる。

 パリのデモ禁止令は11~14日が対象。警察は、道路を封鎖する行為に対しては最高で禁錮2年と罰金4500ユーロ(約60万円)、3年間の運転免許停止を科すと警告している。

 デモ参加者の一部は14日、欧州連合(EU)が本部を置くベルギーの首都ブリュッセルに移動する計画。同市のフィリップ・クロース(Philippe Close)市長も、許可の申請がないとして、車両によるデモを禁止すると表明した。

 フランス政府のガブリエル・アタル(Gabriel Attal)報道官は、感染者数が減少すれば3月下旬から4月上旬にも「ワクチンパス」の義務化を撤廃する可能性もあると示唆。選挙を前に国民の不満の鎮静化を試みている。(c)AFP/Alexandre HIELARD, Tom BARFIELD