【2月10日 AFP】ロシア軍は10日、ウクライナの隣国ベラルーシで同国軍との合同軍事演習を開始した。ウクライナ周辺でロシアが部隊を増強し、ウクライナや北大西洋条約機構(NATO)との緊張が高まる中での実施となる。

 合同軍事演習は20日まで行われる予定。ロシアは、演習終了後に部隊を撤収させるとしているが、ウクライナは軍事演習について「心理的な圧力だ」と非難している。西側諸国の指導者は、ロシアが対ウクライナ国境付近に約10万人の部隊を集結させたのを受け、事態をエスカレートさせようとしていると警告してきた。

 米国は、ロシアが今回の演習のためベラルーシに3万人前後の部隊を派遣したと指摘したが、ロシアとベラルーシは、演習に参加している部隊の規模は明らかにしていない。

 ロシア国防省は声明で、「外部からの武力侵略を防衛作戦によって鎮圧したり、撃退したりする訓練を実施するのが演習の目的だ」と説明した。

 フランスのジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相は演習について、「非常に暴力的な意思表示だ」と批判。同日モスクワを訪問した英国のリズ・トラス(Liz Truss)外相は「(ロシアが)ウクライナの主権を脅かそうとしている」と非難した。NATOのイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長も「(部隊の増強は)欧州の安全保障にとって危険な瞬間だ」と同調した。(c)AFP/Jonathan BROWN with Dmitry ZAKS in Kyiv