【2月10日 AFP】米女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん(46)が9日、連邦議会で議員らに対し、ドメスティックバイオレンス(DV)対策法の改正法案を直ちに可決するよう訴えた。

 首都ワシントンの連邦議会議事堂で行われた記者会見でジョリーさんは、DV被害者に医療・法的支援を提供し、家庭内暴力にさらされた子どもを支援する同法の改正に支持を表明した。

「米国では家庭内暴力が常態化しているというのが忌まわしい真実だ」と指摘したジョリーさんは、「今この瞬間にも、おびえ、苦しんでいる子どもたちがいること、またこの法律が間に合わなかった多くの人たちがいることに言及したい」と述べ、同法の改正を最優先事項にするよう涙ながらに要請した。

 ジョリーさんは元夫ブラッド・ピット(Brad Pitt)さんが、当時15歳だった息子を故意にたたいたと主張したことがあるが、当局はピットさんによる虐待はなかったと結論付けている。

 上院議員だったジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、1994年に立法化された法案の主要起草者だった。その後の同法改正案は民主・共和両党から強い支持を得て可決された。だが2019年、下院を通過した新たな改正案の採決が、当時共和党が優勢だった上院で阻止されていた。

 バイデン氏は「ドメスティックバイオレンスや性的暴行、デート中の暴力、ストーカー行為は、民主党の問題でも共和党の問題でもない。正義と慈悲の問題だ」と述べ、法案が自分の元に「遅延なく」届くことに期待を示した。(c)AFP