【2月10日 AFP】宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は8日、打ち上げ済みのインターネット通信衛星「スターリンク(Starlink)」49基のうち最大40基が地磁気嵐の影響で軌道が運用高度に到達せず、大気圏に再突入すると発表した。衛星は大気圏で燃え尽き、地上には落下しない見通し。

 地磁気嵐は、太陽風などで地球の磁場が乱れる現象で、低軌道だと大気抵抗が増大する。

 スペースXは3日、米フロリダ州のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)からスターリンク衛星49基を打ち上げ、近地点が高度210キロの軌道に投入した。最終チェック後、運用高度に移動させる予定だったが、4日に地磁気嵐の影響を受けた。

 大気抵抗を最小限にする回避行動を試みたが、衛星の大半は高度を上げられず、最大40基が大気圏に既に再突入したか、もしくは今後突入する。

 他の衛星と衝突する「リスクはゼロ」で、再突入時に分解するよう設計されているため、破片が地上に落下することはないという。

 英宇宙機関(UK Space Agency)はブログで、スターリンク衛星には高密度の金属部品は使われていないため、大気圏で燃え尽き、リスクはほぼゼロとしながらも、注意深く観測を続けるとしている。米航空宇宙局(NASA)は現時点でコメントを出していない。(c)AFP