【2月9日 AFP】パキスタンの妊婦が、男児の出産を保証するという信仰治療師によって額にくぎを打ち込まれていたことが分かった。北部ペシャワル(Peshawar)にある病院の医師が9日、明らかにした。

 この医師によると、妊婦はペンチで自らくぎを抜こうとして失敗し、来院。「女性は、意識ははっきりしていたが、強い痛みを訴えていた」と述べた。妊婦には既に3人の娘がおり、4人目の女児を身ごもっていたという。

 レントゲン検査では、5センチのくぎが妊婦の額に突き刺さっていたものの、脳には達していなかった。妊婦は当初、信仰治療師の助言を受けて自らくぎを刺したと説明していたが、後に信仰治療師が打ち込んだと認めた。医師によると、くぎを打ち込むのに金づちか重い物体が使われたという。

 ペシャワルの警察当局は、信仰治療師を取り調べるため、病院から防犯画像の提供を受け、既に病院を去った妊婦の所在を捜している。

 スーフィー(Sufi、イスラム神秘主義)に根差す信仰治療師は、否定的な見解を示すイスラム学派があるものの、イスラム教徒が多数派のパキスタンでは広く存在している。南アジアでは、娘よりも息子の方が金銭面での安定をもたらすと信じられている。(c)AFP