【2月10日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)文物考古研究院はこのほど、同自治区の後城咀石城遺跡で実施した発掘調査で2021年11月、竜山文化(黄河中・下流域の新石器後期の文化)期の地下通路が見つかったと発表した。先史時代の地下通路は国内で初めての発見だという。

 同遺跡はフフホト市(Hohhot)清水河県(Qingshuihe)にある。竜山文化期の保存状態の良い石城集落で、甕城(おうじょう、城門を守るため外側に半円形または方形に築かれた城壁)と外城、内城からなり、面積は約138万平方メートル。同自治区中南部でこれまで知られている先史時代の石城遺跡の中では、最も規模が大きく等級も高い。

 同研究院は2021年に実施した後城咀石城遺跡甕城の調査で千平方メートルを発掘。城門や基礎、城壁、二重の堀、地下通路、墓、灰坑など20カ所余りの遺構を発見し、階級や権力を象徴する玉鏟(ぎょくさん)や玉璧(ぎょくへき)のほか、玉の材料、陶罐(とうかん)、石鏃(せきぞく、石の矢じり)、骨笄(こつこうがい、骨のかんざし)、骨鏃(こつぞく、骨の矢じり)、イノシシの下顎骨など20点余りの遺物が出土した。

 今回発見された地下通路は、地表から約5・0~6・3メートルの深さにあり、上部はアーチ型で幅1・7~3・4メートル、高さ2・0~2・4メートル。甕城の内と外をつなぎ、二重の堀にも通じていた。通路の壁には道具を使って加工した痕跡があり、床面は一部が火に焼かれ、青灰色または赤色をしていた。

 甕城の北側からは、日干しれんが造りの基礎も見つかった。河套地域(黄河が「几」字形に湾曲する地域)でこれまで見つかった竜山文化の最も古い日干しれんが造りの建造物で、重要な研究価値があるという。基礎の南西側からはイノシシの下顎骨を埋めた祭祀(さいし)坑も発見された。

 発掘スタッフはこれらの新発見について、中国北方地域の先史文化と文明起源の研究を探求し、中国初期文明の遺伝子を明らかにする上で重要な価値を持つと説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News