【2月8日 AFP】インドネシアで、タイヤが首に5年以上もはまったままになっていたワニが、ついに自由の身になった。地元当局や住民が8日、明らかにした。

【関連記事】首にタイヤ1年以上 衰弱のワニ、当局が保護急ぐ インドネシア(2018年)

 ワニは2016年、中スラウェシ(Central Sulawesi)州の州都パル(Palu)の住民に発見された。体長5.2メートルで、バイクのタイヤが首の部分にはまっていた。自然保護団体がタイヤを外すため、ワニを川からおびき寄せる取り組みを続けてきた。

 鳥類販売業を営むティリ(Tili)さん(34)も3週間にわたって救出を試みていたが、7日夜、ワニを鶏肉でおびき寄せてロープで捕獲。地元住民数十人の協力を得て岸に引きずり揚げ、タイヤを切断した。

 ティリさんはAFPの取材に対し、「ただ助けたかった。身動きが取れず苦しんでいる動物は見たくないから」と話した。

 自然保護団体はタイヤについて、ワニをペットとして捕獲しようとした何者かが故意にはめたのではないかとみている。

 ワニをめぐっては、地元自治体が2020年に、捕獲してタイヤを外すことができれば懸賞金を出すと約束して話題になった。ただその後、ワニの安全を脅かす恐れがあるとして、懸賞は取り下げられた。

 しかし、地元の自然保護局トップは「野生動物を救出した功績をたたえ、ティリさんを表彰したい」と語っている。(c)AFP