【2月8日 AFP】北京冬季五輪は7日、スピードスケート・ショートトラック男子1000メートル決勝が行われ、波乱の展開の末に中国の任子威(Ren Ziwei)が優勝した。

 首都体育館(Capital Indoor Stadium)で行われた決勝は、中国勢3人に加えて同国人の父親を持つハンガリーの兄弟、シャオリンサンドル・リュウ(Shaolin Sandor Liu)とシャオアン・リュウ(Shaoang Liu)の戦いとなった。

 レース開始から数周後にトラック上に金属片が確認され、安全を期してやり直しとなった再スタート後には、シャオリンサンドルがリードを奪い、最後は任を僅差で抑えた。

 フィニッシュラインを通過する際には、任がシャオリンサンドルの胸元をつかんでいるように見え、審判が他に違反がないか確認するためにビデオ判定を行った。

 シャオリンサンドルは両手を合わせて祈りながら、スクリーンに結果が出るのを待っていた。ところが、失格となったのは同選手で、先に二つのペナルティーが確認されたとしてイエローカードを提示された。

 この結果、任が金メダルに輝き、同胞の李文竜(Li Wenlong)が銀メダル、シャオリンサンドルの弟シャオアンが銅メダルを獲得。シャオリンサンドルはすぐさまリンクを後にし、メディアの取材には応じなかった。

 シャオアンは「さまざまな感情」がよぎったとレースを振り返り、「更衣室に戻った後、互いにただ座って頭を抱えていた。だけど、このことを忘れなければならない、まだ何日かレースは残っている、僕らは金メダルを目指すべきだと兄に話した」と明かした。

 判定結果について聞かれると、「とにかく、みんなすごく盛り上がっていたし、とてつもなくクレイジーなレースだったと思う。押し合ったり、抜かしたりする場面が何度もあった」とコメントした。

 同日行われた女子500メートル決勝では、イタリアのアリアンナ・フォンタナ(Arianna Fontana)が金メダルを獲得している。(c)AFP