【2月7日 AFP】仏検察当局は5日、パリ近郊にあるユダヤ教超正統派の学校で虐待を受けた複数の生徒を保護し、加重暴行容疑で職員7人に対する正式捜査を開始したと発表した。

 検察によると、虐待があったとされるのはパリの東方約60キロのビュシエール(Bussieres)にあるベト・ヨセフ(Beth Yossef)で、13~18歳の生徒約60人が学ぶ。生徒には「フランス語を全く話せない米国籍とイスラエル国籍の未成年者が多く含まれ、虐待といえる状況に置かれていた」という。

 生徒らは「監禁され、身分証明書を没収され、劣悪な状況で虐待を受け、教育や医療をきちんと受けられないまま、家族の元に帰ることもできなかった」とされる。

 警察は職員17人を事情聴取。検察は4日、75歳のラビ(ユダヤ教の宗教指導者)や校長、学校運営に携わる職員や教員、計7人について生徒を虐待したとして予審開始を決定した。

 昨年7月、米国人の男子生徒が同校を抜け出し、助けを求めて在パリ米大使館に駆け込んだことで虐待の疑いが浮上。生徒の脱出はその後も続き、イスラエルの公共テレビが数か月にわたる調査報道を行っていた。

 AFPが先週入手した証言によれば、2002年に12歳で入学し12年間過ごしたというイスラエル人の元生徒は、同校を「あらゆる点でカルト的」な教育機関だとし、「洗脳」が行われ「罰」として「殴打された」と被害を訴えている。(c)AFP