【2月7日 AFP】(更新)女子テニスの彭帥(Peng Shuai、中国)が、現在開催中の北京冬季五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と面会したと、7日付の仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)のインタビューで明かした。また、競技からの引退も表明している。

 彭帥はインタビューの中で「土曜日(5日)にディナーをともにし、楽しい議論と交流ができた」と話し、「会長からは、競技復帰を検討しているかや、今後の予定、計画などについて聞かれた」と明かした。「失踪」の事実もないと否定している。

 四大大会(グランドスラム)のダブルスで2度の優勝を誇る彭は昨年11月、中国の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相による性的暴行をSNSで告発。しかし投稿は中国のネット上ですぐさま検閲、削除され、本人も3週間近くにわたって連絡がつかなくなり、安否を心配する声が世界中で広がった。

 五輪用の隔離環境「バブル」内のホテルで、中国オリンピック委員会(COC)のスタッフとともに、レキップの記者2人のインタビューに応じた彭帥は「誰かから性的暴行を受けたとは一切言っていない」と、昨年12月にシンガポールの中国語紙「聯合早報(Lianhe Zaobao)」に語ったのと同様のコメントを繰り返した。

 また彭帥は、中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」への投稿を削除したのは自分自身だと付け加えた。

 政府への批判に敏感な同国のネット検閲により削除されたという見方が強いものの、レキップ紙にそうした理由を問われた彭帥は「私が望んだから」と応じた。

「投稿を受けて、外の世界では大きな誤解があった」とし「これ以上この投稿の意味をねじ曲げられたくない。マスコミにも騒がれたくない」と続けた。

 さらに彭帥は「私は失踪していない。友人や、IOCの関係者から非常に多くのメッセージを受け取って、それらに返信するのが単純に不可能だっただけのこと」と話している。

「親しい友人とはこまめに連絡を取って話をし、メールにも返事をしていた。女子テニス協会(WTA)とも話をした」 (c)AFP