【2月6日 AFP】米国でこのほど、デジタル資産「NFT(非代替性トークン)」に特化した美術館が開館した。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いたNFTアートは、美術界に旋風を巻き起こしている。

 ワシントン州にオープンした「シアトルNFTミュージアム(Seattle NFT Museum)」は、来場者にNFTという新たな世界を知ってもらうことを目的に、オリジナルのNFTアートの展示に加え、その背後にあるNFT技術の仕組みを解説している。

 共同創設者のピーター・ハミルトン(Peter Hamilton)氏はAFPに対し、NFTアートを大画面で展示している同館について「物理的な場を設けたのは、誰でもNFTアートにアクセスしやすくするため」だと説明した。

 NFTアートは、唯一無二のデジタル作品で、所有権を記録することができる。イタリアの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の「モナリザ(Mona Lisa)」も、複製は無数にあるがオリジナルはフランス・パリのルーブル美術館(Louvre Museum)にしかないように、コンテンツの複製は可能であっても、NFTアートはそのオリジナルと見なされる。

 投資家や資産家のコレクターらはここ数か月、暗号資産(仮想通貨)と同じブロックチェーン技術を利用する新たなデジタルの流行にのめり込んでいる。一方で、あらゆる新技術がそうであるように、NFTアートに疑問を呈する人もいる。

 しかし同館の来場者は、リアルなものを感じたと話している。ある女性は「ある種の世界的現象誕生の瞬間を目の当たりにしているようだ」と語った。

 ハミルトン氏は「自称NFT専門家も、真実を語っているとは限らない。なぜならわれわれは皆、学習途上で、黎明(れいめい)期の中で動き始めているところなのだから」と述べた。

 映像は1月29日撮影。(c)AFP