【2月5日 AFP】4日に行われた北京冬季五輪の開会式で韓国の民族衣装を着た出演者が登場したことについて、韓国・与党「共に民主党」の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン、Lee Jae-myung)氏が「文化の盗用」だとして中国を非難した。

 中国の民族を代表する出演者の一人に、ピンクと白の韓服姿で中国国旗を運ぶ若い女性がいた。

 中国は海外在住の韓国人が最も多い国の一つで、両国には文化的に深い結びつきがある。しかし、韓服の登場に韓国のネット上では怒りが巻き起こり、文化を「盗んだ」と中国を非難する声が多く上がった。

 次期大統領選の対抗馬で、保守系野党「国民の力」に所属する尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)氏も、韓服を採用した判断は「敬意を欠く」と非難。政府に対し、中国に謝罪を求めるよう促した。

 開会式に出席した韓国の黄熙(ファン・ヒ、Hwang Hee)文化体育観光相は、衣装について中国側に正式に抗議する予定はないとしたが、今回の件は両国間に「誤解を生じさせるかもしれない」と話した。

 韓国の誠信女子大学(Sungshin Women's University)の教授で、活動家でもある徐坰徳(ソ・キョンドク、Seo Kyoung-duk)氏は、今回の出来事は「われわれの伝統文化を世界中の人々に紹介する」機会になるだろうとコメントした。(c)AFP