【2月5日 AFP】4日に行われた北京冬季五輪の開会式では、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)出身のクロスカントリースキー選手ジニゲル・イラムジャン(Dinigeer Yilamujiang、20)がもう一人の選手と共同で聖火リレーの最終走者を務めた。

 新疆ウイグル自治区では、イスラム教徒を中心とした少数民族100万人以上が「再教育収容所」に収容されてきたとみられているほか、中国当局による強制労働や、女性への不妊手術強制の疑いももたれている。中国は当初、収容所の存在を否定していたが、その後、イスラム過激思想への傾倒を防ぐための職業訓練所だと説明。北京五輪では、中国の人権問題をめぐり、米国をはじめ、英国やカナダ、オーストラリアなどの西側諸国が、政府関係者を派遣しない外交的ボイコットを行っている。

 北京の国家体育場(National Stadium)、通称「鳥の巣(Bird's Nest)」で行われた開会式の終幕で、イラムジャンは趙嘉文(Zhao Jiawen)と共同で聖火リレーの最終走者を務めた。

 イラムジャンは2019年、北京で行われたクロスカントリースキーの女子開幕戦で2位に入り、国際スキー連盟(International Ski Federation)の大会で中国人初のメダリストとなった。中国メディアによると、父親はスキーインストラクターで、降雪の多い故郷の新疆北部アルタイ(Altay)地区を移動する手段として5歳の時にスキーを覚えた。北京大会のユーチューブ(YouTube)チャンネルの動画ではウイグル人と紹介されている。(c)AFP