【2月4日 People’s Daily】気候リスクへの対応は過去の冬季五輪組織管理の重要な内容であり、気象サービスは北京冬季五輪の円滑な開催を保障するための重要な仕事だ。複雑な山地気候へのきめ細かな予報など国際的に公認されている難題に直面し、北京冬季五輪の招致に成功した後、中国気象局などの関連部門はいち早く準備作業をスタートさせ、気象サービスの中核チームを結成し、これまで人の通らない険しい坂や山頂に精密な気象モニタリングネットワークを設置した。

 北京冬季五輪はここ20年来、大陸性冬季季節風が支配する気候条件下で開催される唯一の冬季五輪だ。競技エリアは複雑な山地にあり、大会開催の需要を満たすには100メートル級の予報が必要だ。これは国際的にも前代未聞だ。

 各競技のニーズが異なるため、北京冬季五輪の気象保障サービスは「1試合1対策」「1種目1対策」の原則を明確にした。科学技術の難関攻略チームを結成し、複雑な山地の気候特徴を研究し、世界的な山地気候のきめ細かな予報技術の難題を攻略する。冬季五輪専門気象予報チームは5年連続で冬季実戦予報訓練を展開し、多くの経験を積んだ。きめ細かな気象サービスは北京冬季五輪の盛大な開催をサポートする。

 観測は気象予報の第一歩だ。競技エリアの測候所は冬季五輪の気象観測のために建設されたもので、気象衛星、気象レーダーおよびその他の多くの特殊観測装置と、厳密な「地上・空中・宇宙」の立体モニタリングネットワークを形成し、競技エリアの気象リアルタイムデータを全面的に取得し、予報・予測能力を高めるために重要な基礎観測データを提供する。

 コース測候所を含め、北京冬季五輪の3競技エリアに計441セットの現代立体観測施設が建設された。これに各種気象レーダー、気象衛星が加わり、「3次元、秒単位、多要素」の立体モニタリングネットワークが形成され、冬季五輪競技エリアの精密な観測が実現した。

 ハイレベルで精密で先端的な観測設備や素晴らしい技術も気象観測を強力にサポートする。高精度の数値予報モデル、マルチソースデータ快速融合モデル、予報誤差の人工知能訂正モデルなどの重要技術方法が続々と開発に成功し、冬季五輪の高精度気象予報システム「叡図ー叡思」を形成し、冬季五輪山地競技場の10日間以内の「100メートル級」GPV(Grid Point Value 、格子点値)気象予報と、冬季五輪のキーポイントの10日間以内の定時、定点、定量気象予報を実現した。

 国家重点研究開発計画「テック冬季五輪」特別プロジェクト(気象)責任者の陳明軒(Chen Mingxuan)氏によると、これまでの冬季五輪の気象予報は1000メートルグリッドを主とし、30分から1時間ごとに更新されてきたが、「北京冬季五輪気象予報のグリッドは100メートル、ひいては67メートルまで精密になり、更新頻度は最大10分に達し、質的な飛躍を遂げ、冬季五輪の気象サービス保障に強力なテクノロジーサポートを提供する」と述べた。

 人工知能による予報技術は冬季五輪でも初めて応用され、膨大な気象観測データと数値予報のデータを「再解読」し、客観的な気象予報を「再訂正」することで、冬季五輪気象予報の精度をさらに高める。現在、国家重点研究開発計画「テック冬季五輪」特別気象プロジェクトは、世界気象機関(WMO)の高影響気象予報モデルプロジェクトに組み入れられ、国際的な関連技術の研究開発と応用に中国の経験を提供している。(c)People’s Daily/AFPBB News