【2月4日 AFP】日米欧などの科学者グループは北京冬季五輪の開幕を翌日に控えた3日、中国政府が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の真相究明を妨げていると厳しく批判し、妨害をやめるよう求めた。

 科学者グループは欧州、米国、オーストラリア、ニュージーランド、インド、日本の20人。「パンデミックの起源に関する包括的な国際調査を認めることが五輪の価値の真の表出となる」と題された書簡を公表し、新型ウイルスの起源を究明できなければ、将来のパンデミックリスクを高めることになると警告している。

 書簡は中国による調査妨害を「世界の科学者と全人類に対する冒涜(ぼうとく)」と非難。北京五輪開催を利用して問題を浮き彫りにし、中国に調査妨害をやめさせるよう各国政府や世界中の人に呼び掛けた。

 科学者グループは、崇高な五輪精神が中国政府の調査妨害によって損なわれていると指摘。「(中国政府は)生体サンプルを破壊し、記録を隠蔽(いんぺい)し、勇気ある中国人記者を拘束している」と批判した。

 さらに「中国の科学者が政府の事前承認なしにパンデミックの起源について発言または執筆することを妨げるかん口令」についても言及。世界保健機関(WHO)に対し、「内部告発保護規定」を導入し、パンデミックの起源に関する情報共有を促進させるよう求めている。(c)AFP/Nina LARSON