【2月4日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)の財団幹部が、ライバルクラブの大ファンとして知られる男子テニスのスター選手、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を「敵国家」の一員と呼んだとして辞任した。バルセロナのジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長が3日、明らかにした。

 バルサ財団(Barca Foundation)の副会長で、スペイン・カタルーニャ(Catalonia)の独立支持派として知られるアルフォンス・ゴダイ(Alfons Godall)氏は、2日にツイッター(Twitter)で「ある有名人とそのプロフィルに関する私の見解は、一部の企業やメディアからの圧力により、財団を傷つける可能性がある」として、辞任を表明した。

 レアル・マドリード(Real Madrid)のファンを公言しているナダルは、先月30日の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)決勝で通算21度目の四大大会(グランドスラム)制覇を果たした。

 するとゴダイ氏は同31日、カタルーニャ語のクリスマスを表す「Nadal」をスペイン語でクリスマスを意味する「Navidad」に置き換え、「ラファエル・ナビダド(Rafael Navidad)は初日から私を居心地悪くさせていた。私は彼をラ・ロハ(La Roja、スペイン代表の愛称)、レアル・マドリードと(F1ドライバーのフェルナンド・)アロンソ(Fernando Alonso)、そして敵国家を象徴するもの全てと同じ集団に入れている」とツイッターに投稿した。

 ラポルタ会長は、「彼は自分が投稿したツイートによって、財団の職員、投資家、そしてスポンサーからクレームが出ていることを考慮し、財団を傷つけまいとして自ら辞任を決断した。その決意が尊重されたということだ」と説明した。

 会長はまた、ナダルを「偉大な人物」と称し、クラブとして豪メルボルンで「ラファエル・ナダルが優勝したことを祝福した」と強調。さらに、「彼がバルサでないことは残念だ」と冗談を交えつつ、「だが、彼は自分のテニスで私たちを楽しませてくれているから許す」と述べた。(c)AFP