【2月4日 AFP】インド外務省は3日、2020年にヒマラヤ(Himalaya)の国境地帯で起きた中国軍とインド軍の衝突に関与した中国人兵士が北京冬季五輪の聖火リレーに参加したことを受け、北京駐在の上級外交官が大会をボイコットすると発表した。

 両国の国境地域の山岳地帯にある係争地ガルワン(Galwan)渓谷で20年に起きた衝突で、人民解放軍連隊長の祁発宝(Qi Fabao)氏は負傷。中国の国営メディアは2日、祁氏を「英雄」と持ち上げ、同氏が1200人の聖火ランナーの一人に選ばれたと報じた。

 インドはこの人選に反発。印外務省のアリンダム・バグチ(Arindam Bagchi)報道官は、在中大使館の上級代表が開会式と閉会式を欠席するとし、「中国側が五輪のようなイベントを政治化しようと決めたのは実に遺憾だ」と述べた。この発表の直後、インドの公共放送局は、開閉会式の生中継を行わないと表明した。

 ガルワン渓谷の衝突では、両国の兵士が主に素手での戦闘となり、インド側20人、中国側4人が死亡。中国政府は、自国軍の犠牲者について8か月間公表しなかった。衝突後、両国は当該地域に数万人規模の増派を行い、昨年末には高官級協議も行われたが、緊張緩和には至らなかった。(c)AFP