【2月3日 AFP】ウクライナ情勢が緊迫する中、米国が北大西洋条約機構(NATO)軍増強のため東欧に米兵数千人を派遣すると発表したことを受けて、ロシアは3日、米国に対し、緊張をあおる動きは差し控えるよう強く求めた。

 ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は記者会見で「われわれは米国側に対し、欧州大陸で緊張をあおらないよう常に求めている」ものの、「遺憾ながら、米国はそうし続けている」と述べた。

 ペスコフ氏は今回の米兵派遣について「言うまでもなく、これらの措置は緊張緩和を目指したものではない。逆に緊張激化につながる動きだ」と指摘。だからこそ、ロシアがNATOの東方拡大と米兵派遣を憂慮するのは「ごく当然で、完全に正当性がある」「ロシアが自国の安全と利益を守るために講じるいかなる措置も理にかなっている」と主張した。

 欧米諸国は、懸念されているウクライナ侵攻を抑止するため、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の側近への制裁を示唆するなど、外交努力を強化している。一方ロシア側は、侵攻の意図を強く否定している。(c)AFP