【2月2日 AFP】米女優ウーピー・ゴールドバーグ (Whoopi Goldberg)さんが、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大虐殺)は人種問題ではなかったと発言したことをめぐり、放送局ABCは1日、2週間の出演停止処分を決めた。

 ゴールドバーグさんは既に謝罪しているが、ABCニュースのキム・ゴッドウィン(Kim Godwin)社長は不十分だと指摘。同局の広報用ツイッター(Twitter)に「自身の発言の影響について熟考し、学ぶ時間を持つよう求めた」と投稿した。

 ゴールドバーグさんは司会を務めるトーク番組「ザ・ビュー(The View)」への出演が2週間停止される。

 ゴールドバーグさんはその中で、テネシー州の学校がアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所の生活を描いた名作マンガをカリキュラムから外すと決めたことについて議論していた際、ホロコーストは「二つの白人グループ」が関連する出来事だと主張。「人種問題ではなく、人間が他の人間に行った残虐行為の問題だ」と述べた。

 ゴールドバーグさんは1月31日夜、ツイッターに「きょうの番組でホロコーストは『人種問題ではなく、人間が他の人間に行った残虐行為の問題だ』と言いましたが、その両方だと言うべきでした」と投稿し謝罪した。

 反ユダヤ主義の監視団体「名誉毀損(きそん)防止同盟(Anti-Defamation League)」のジョナサン・グリーンブラット(Jonathan Greenblatt)代表は、ナチスはユダヤ人を「劣った人種」だとしていたと指摘した。

 さらに、首都ワシントンにあるホロコースト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)のツイッターアカウントは、ゴールドバーグさんの発言には直接言及してはいないものの、「ユダヤ人は宗教ではなく人種で定義された。ナチスの人種差別的な考えは虐殺と大量殺人を助長した」と投稿した。(c)AFP