【2月2日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、マイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)のブライアン・フローレス(Brian Flores)前ヘッドコーチ(HC)が1日、「プランテーション」のような運営がなされているとしてリーグなどを訴えた。

 フローレス氏は今季、ドルフィンズを2003年以来となる2シーズン連続の勝ち越しに導いたが、先月にHCを解任された。その後はニューヨーク・ジャイアンツ(New York Giants)のHC就任を目指していたが、見送られていた。

 フローレス氏はリーグのほか、ジャイアンツとドルフィンズ、デンバー・ブロンコス(Denver Broncos)を相手取って損害賠償を求める集団訴訟を起こし、ニューヨーク南部地区連邦地裁に訴状を提出した。

 訴状でフローレス氏は「NFLでは人種隔離とプランテーションめいた経営が行われている」と指摘し、「NFLチームの32人のオーナーに黒人は一人もおらず、彼らは7割が黒人であるNFL選手の労働から莫大(ばくだい)な利益を得ている」と主張した。

「オーナー陣がスタジアム最上層のVIP席から試合を観戦する一方で、大多数を占める黒人選手は毎週日曜日にわが身を危険にさらし、体をぶつけ合い、体や脳を弱らせるけがをしている。NFLはそこから数十億ドルを刈り取っている」

 フローレス氏は、リーグが人種を理由に黒人が指導者の仕事に就くことを意図的に阻んでいると主張している。訴状では、形ばかりの面接を行ったり、ヘッドコーチやアシスタントコーチ、ゼネラルマネジャー(GM)就任を拒んだりして、自身を含めた黒人指導者を差別しているとした。

 1日に発表されたプレスリリースで、フローレス氏は「NFL内の組織的な人種差別に対して立ち上がることで、他の人たちも加わり、今後の世代のために前向きな変化を起こせることを心から願っている」と話した。(c)AFP