【1月31日 AFP】中国の特別行政区マカオ(Macau)の警察は30日、カジノに上客を紹介し宿泊の手配などを行う仲介業(ジャンケット)大手「徳晋集団(タクチュングループ、Tak Chun Group)」のトップ、陳栄煉(Chan Wen-ling)氏を逮捕した。

 カジノで有名なマカオだが、中国本土からの監視が強まる中、当局はギャンブル業界の取り締まりと規制を強化している。

 徳晋集団はマカオ2位のカジノ仲介業者で、中国本土の高額所得者をカジノの上客として誘致してきた。陳氏は同社の創設者で、ホテルやカジノを運営する澳門励駿創建(マカオ・レジェンド・デベロップメント、Macau Legend Development)の会長も務めている。

 マカオでは昨年11月、ジャンケット最大手「太陽城集団(サンシティーグループ、Suncity Group)」トップの周焯華(アルビン・チャウ、Alvin Chau)氏も逮捕されている。警察によると、陳氏の逮捕もこの一件絡みだという。

 検察によれば、周氏と会社幹部10人はフィリピンに違法なギャンブルサイトを開設し、中国本土から客を集めていたとされる。

 かつてポルトガルの植民地だったマカオは、中国で唯一賭博が合法とされており、カジノ客の多くを本土の中国人が占める。だが、汚職撲滅を掲げる習近平(Xi Jinping)国家主席は、マカオを訪れる高額所得者や共産党幹部がカジノで資金洗浄(マネーロンダリング)を行っている可能性があるとして、監視を強化している。

 マカオ政府は今月、カジノ大手6社の営業権を20年から10年に短縮する新規制を発表。カジノを経営する企業の国内資本比率を引き上げ、政府の監督を強化する方針を打ち出した。(c)AFP