【2月3日 People’s Daily】中国河北省(Hebei)淶源県(Laiyuan)にある国家雪上プロジェクトトレーニング基地。小型ウエアラブルデバイスを装着したノルディック複合の選手がジャンプをすると、滑走速度やジャンプの角度、姿勢などのデータがコンピューター画面に表示された。選手たちは自分たちのパフォーマンスをデータで確認することで、必要なトレーニングに打ち込むことができる。

 ウインタースポーツのトレーニング方法は先端科学の導入で大きく変わった。国家ウインタースポーツトレーニング科学研究基地では、風洞トレーニングによりスピード競技の選手たちが最も抵抗が少なく、最も時間を短縮できる姿勢を見つけることができる。吉林省(Jilin)ではかつての民間防空施設が雪洞に改造され、クロスカントリーチームのオフシーズンの練習場となっている。北京冬季五輪に向けた準備において、科学技術はトレーニング、身体強化、練習の観測、医療体制などすべてに関わっている。冬季五輪の全種目において選手たちの効率的な訓練が実現しており、中国のウインタースポーツは飛躍的な発展曲線を描いている。

 トレーニングの分野に限らず、科学技術は五輪の競技会場にも貢献している。用地の選定、コースの特性、施設の建造など各方面で中国初の取り組みが行われた。ボブスレーやリュージュ、スケルトンが行われる国家スライディングセンター、スキージャンプが行われる国家スキージャンプセンターなど多くの会場をゼロから構築した。「水立方」の愛称で知られる国家水泳センターは世界で初めてプール施設をカーリング場に改装し、エリアごとに温度や湿度、氷面を制御して切り替えるシステムを実現した。

 科学技術の進歩は、「より速く、より高く、より強く」という五輪の精神をサポートしている。特にウインタースポーツは競技種目の多さ、用具の複雑さ、屋外競技の多さから、技術革新への要求が高い。中国は「科学冬季五輪」の構築に尽力し、ウインタースポーツ先進国に学びつつ、自立した技術革新を成し遂げた。

 こうした技術革新は「ウインター経済」にも波及効果が出ている。新しいインフラ建設や省エネ・エコロジー、都市のスマート化などの科学的成果は今後、人々の生活も刷新することになる。五輪会場で使われるスマート機器はいずれ市民にも普及し、冬季五輪で培われる技術的蓄積は中国のウインター産業に大きく寄与していくことは確実だ。

 北京冬季五輪のテスト大会は順調に終え、競技会場や運営方法は好評を博した。2月4日に開幕する北京冬季五輪は、科学と技術革新の魅力で世界の注目を集めようとしている。(c)People’s Daily/AFPBB News