【2月2日 People’s Daily】「クロスカントリースキーの授業があるのってどんな学校?」中国吉林省(Jilin)吉林市(Jilin)で聞く答えは「普通の小中学校」だ。

 世界で最も雪が多い緯度にある吉林省では、早くからウインタースポーツへの取り組みが行われてきた。吉林省を含め、地理的にウインタースポーツ産業に向いた省は、中国全土でも屈指のウインタースポーツの体育成績と大衆への普及度を誇る。2018年以来、吉林省では小中学生へのウインタースポーツ普及に向けた取り組みを行い、体育科におけるアルペンスキー・クロスカントリースキー授業の開設や、小中学校の冬休みにスキーレジャーを取り入れるなどの措置を通して、小中学生のウインタースポーツ技能向上を目指してきた。2018年から2020年、吉林省の小中学校のスキー授業には累計8000万元(約14億円)以上が投入され、スキーに参加した児童・生徒はのべ45万人にのぼる。

 近頃、中国国家体育総局が国家統計局に委託した「3億人にウインタースポーツを広める」キャンペーンの統計調査報告が発表された。データによれば、2015年の北京冬季オリンピック誘致成功以来、中国の全国民のうちウインタースポーツに参加した人は3億4600万人にのぼり、「3億人にウインタースポーツを」という目標は前倒しで達成された。参加人数の多さは北京冬季オリンピック・パラリンピックへの熱気を物語っており、スポーツの祭典への期待感を高めるだけでなく、ウインタースポーツが普及し続けることに一役買っている。

 ウインタースポーツ、特にスキーは、場所の制約が比較的多い。以前は、場所がない、遠い、費用が高いなどの要素が、人々からスキーやスケートを楽しむことを遠ざけていた。ウインタースポーツ熱を高めるには、まずハード面を整備し、場所の建設を強化すべきであった。吉林省通化市(Tonghua)の金広スキー場は1959年に建設され、度重なるリニューアルののち、2021年12月にリニューアルオープンした。ゲレンデの周囲にはスキー博物館やスケートリンク、クロスカントリースキー練習場などが配されている。「家の近くにスキー場ができて、運動にとても便利です」と、市民は嬉しそうに語る。人々のニーズの把握、科学的・合理的な計画、サービス能力の向上により、中国各地でウインタースポーツの普及が進んでいる。

 ウインタースポーツを全面的に展開するには、子供のうちから心をつかまねばならない。吉林省では2019年にウインタースポーツ教室への要請が編さんされた。学年が上がるにつれて少しずつレベルが上がり、低学年では雪だるまづくりやローラースケートに取り組み、中学年・高学年でスキーやアイスホッケー、カーリングなどの科目が増える。「このようにすることで、子供たちの安全に最大限注意を払うことができ、また徐々にウインタースポーツの楽しさを知ってもらうことができるのです」と、ある体育教師は語った。(c)People’s Daily/AFPBB News