【2月1日 People’s Daily】北京の首都国際空港に隣接する天竺総合保税区に足を踏み入れると、北京冬季五輪メイン物流センターの特徴的な建物と大小の窓が目に入る。「自然光と自然の通気を最大限に利用したデザイン。屋内外のLED照明と組み合わせ、全体で29%の省エネを達成しています」。北京冬季五輪組織委員会物流部門の責任者、李燕凌(Li Yanling)氏はそう話す。オフィスは日中、ほとんど照明を必要としないという。

 オリンピックの円滑な運営には、安定した物流システムが必要だ。北京冬季五輪は3つの会場、40以上の競技場、55の業務エリアに分かれている。12月10日までに388品目の資材を調達し、ほとんどの調達作業を終えている。物流面では、五輪の各参加団体のため225回にわたり約9億8000万元(約177億6000万円)相当の税関サービスを提供し、競技用資材の80%以上が搬入された。

 物流における省エネ・エコロジー化を実現するため、「軽資産、排出量削減、長期的利益」が基本方針と話す李さん。「組織委員会は資材の70%以上をリースで調達しており、大会後もすべて回収して再利用される。メイン物流センターも大会後は商業施設に転用される予定です」

 物流部資材課の何宏利(He Hongli)課長は「テーブルは分解して組み直すことができるように設計しており、五輪とパラリンピックで同じテーブルを使用できるようにしました」と説明。ほとんどの家財は折りたたんだり積み重ねたりできるように設計しており、家具や資材の総量を75%削減できたという。李氏は「これまでの冬季五輪では資材の保管スペースが4万平方メートル以上に達していましたが、北京では2万平方メートルのスペースしか借りていません」と話す。

 また、五輪張家口(Zhangjiakou)会場では水素で走る燃料電池車のトラックを投入し、北京会場ではすべて新エネルギー車のトラックを使用。物流センターでは作業のペーパーレス化を実現する。こうした細部にわたる取り組みにより、「エコロジー・低炭素オリンピック」を積極的に進めている。(c)People’s Daily/AFPBB News