【1月31日 AFP】米国が支援するクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は30日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の襲撃を受けた収容所内に残っていたIS構成員を一掃したと発表した。襲撃に続く戦闘でこれまでに373人が死亡した。

 ISは20日、クルド人が支配するシリア北東部ハサカ(Hasakeh)にあるグワラン(Ghwayran)収容所にここ数年で最大規模となる襲撃を仕掛け、収容されていたIS構成員の解放を試みた。

 これにSDFが応戦し、6日間にわたり激しい戦闘が繰り広げられた。26日、SDFは収容所を奪還したと発表したが、一部のIS構成員は残っていた。収容所周辺では29日まで断続的に戦闘が続いた。

 ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は声明を出し、「多数の犠牲者を出したSDFの決然とした勇気ある行動により、ISが構成員奪還のため試みた大規模攻撃は失敗に終わった」と歓迎した。

 英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、脱走したIS構成員の追跡が続けられているとしている。

 同監視団によると、今回の戦闘でIS構成員268人、SDF戦闘員98人、民間人7人の計373人が死亡した。死者数はさらに増える恐れがあるという。(c)AFP