【1月30日 AFP】インドの首都ニューデリーが異例の厳しい寒さに見舞われている。路上生活者たちは暖を取るのに苦労しており、今年に入って176人のホームレスが寒さにより死亡した。

 1月の寒さと強い風を伴う雨は多くの人にとって厳しいものとなり、ニューデリーの今月25日の気温は1月の気温としては約10年間で最も低かった。

 ホームレスシェルターにいた男性(30)は「この10日間はとても寒く、日があまり差さなかった。暖を取ることに大変苦労しており、不安だ」と語った。

 男性は、あり合わせの木を使って路上で火をたき、仲間たちと囲んでいたという。今月は毎晩、市内各地で同様の光景が見られる。

 慈善団体によると、ニューデリーでは今年に入り176人のホームレスが寒さにより死亡。団体の関係者はAFPに「この極端な気温のせいで路上生活者の多くが死んだ」と語った。

 インドの気象当局が現地メディアに伝えたところによると、ニューデリーでは1月の多くで1日の最高気温が例年を2~6度下回っており、25日には2013年以降の平均を10度下回る12.1度を記録した。

 国連(UN)と協力して気候変動モデリングに取り組んでいるシンクタンクの男性は「この状況は普通ではない」とし、異常な気象現象の発生頻度と深刻さは今後いずれも高まるだろうと述べた。(c)AFP/Archana THIYAGARAJAN