伊大統領選、8回目投票で現職再選 政治混乱を回避
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【1月30日 AFP】イタリア議会で29日、大統領選の8回目投票が行われ、退任の意向を示していた現職のセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領(80)が再選された。後継選びに伴う政治の混乱は回避された。
大統領選は24日に始まったが、難航。最有力視されていた欧州中央銀行(ECB)前総裁のマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相が次期大統領に選ばれた場合、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)による景気後退の中で財政赤字に苦しむ政府がかじ取り役を失い、政治が不安定化する恐れがあるとして、必要な過半数の支持が集まらなかった。
元憲法裁判所判事のマッタレッラ大統領は、1期限りで退任する意向を繰り返し表明してきた。だが、対立する政党間で他の有力候補を擁立できなかったため、29日に続投を承認。上下両院の議員ら1009人による投票で759票を獲得し、再選された。
イタリアでは国家元首の大統領は儀礼的役割が大きいが、議会の解散や首相指名、連立政権の委任拒否など、政治危機の際に大きな権限を持つ。
ドラギ首相はマッタレッラ大統領の再選を受け、「国民にとって素晴らしい知らせだ」と述べた。(c)AFP/Ella IDE