【1月29日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は28日、ウクライナ問題をめぐり電話会談を行った。プーチン氏は、欧米諸国がウクライナをめぐりロシアが持つ安全保障上の懸念を無視していると表明した一方で、ロシアは即座に行動を起こすことはないと言明した。

 ロシア軍は、親欧米路線をとるウクライナとの国境付近に兵力を集結させており、欧米諸国はロシアによるウクライナ侵攻の可能性を懸念している。ロシアは侵攻計画を否定しつつも、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟禁止など一連の安全保障上の要求を欧米側に提示している。

 ロシア大統領府の発表によると、プーチン氏はマクロン氏との「長い電話会談」で、米国が今週送付したロシア側の要求への回答に対する不満を表明。「米国とNATOの回答は、NATOの拡大阻止や、ロシア国境付近への攻撃用兵器の配備拒否といったロシアの基本的な懸念を考慮に入れていない」と伝えた。

 さらに、いかなる国も他国を犠牲にして自国の安全保障を強化してはならないという国際関係における「安全保障の不可分性の原則」を挙げ、「重要な問題も無視された」と指摘。ロシア側は回答を「注意深く検討」した上で、「今後の行動を決定する」と述べた。

 一方、仏高官によると、マクロン氏とプーチン氏は会談で、ウクライナ問題では「緊張緩和」が必要だとの認識で一致。プーチン氏は、ロシアには「攻撃の計画がない」とした上で、フランスなどとの協議を継続していく意向を示した。(c)AFP