【1月28日 AFP】アフリカ南東部を襲った熱帯暴風雨「アナ(Ana)」による死者は、3か国で計77人に上ることが27日分かった。インフラの復旧や被災者数万人への支援が急がれている。

 アナは24日にマダガスカルに上陸した後、モザンビークとマラウイを横断し、豪雨をもたらした。

 マダガスカル政府は27日夜、全土に災害緊急事態宣言を発出。同国で確認された死者は48人に上った。また、モザンビークでは18人、マラウイでは11人の死者が確認されている。

 被害が大きかったこの3か国では、数万世帯が被災した。豪雨で家が倒壊し、住民が下敷きになった例もあった。

 増水した川では橋が流された。農地が冠水したり、家畜が水死したりして生計手段を失った農民もいる。

 その後、アナはジンバブエを通過したが、勢力が衰えていたため死者は報告されていない。

 モザンビークの気象当局と国際気象予報機関は、インド洋上で新たな熱帯低気圧「バチライ(Batsirai)」が発生し、数日以内に上陸する見込みだと警告した。国連(UN)は「数日のうちに非常に強い熱帯暴風雨に発達する恐れがある」としている。

 周辺一帯では3月の雨期終了までに、最大六つの熱帯低気圧が接近するとみられている。(c)AFP