【1月28日 AFP】オーストラリアの研究者らがこのほど、回転する奇妙な天体を天の川銀河(銀河系、Milky Way)内で発見した。天文学者が今まで見たこともないような天体だという。

 この天体は、卒業論文作成中の男子大学生が、豪ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州で稼働している低周波電波望遠鏡マーチソン・ワイドフィールド・アレイ(MWA)を使って発見した。約1時間に3回、電波エネルギーを爆発的に放出する。

 電波エネルギーは「18.18分おきに、時計のように規則正しく」飛来すると、天体物理学者のナターシャ・ハーレーウォーカー(Natasha Hurley-Walker)氏は話す。同氏は学生の発見を受けて実施された研究を主導した。

 宇宙にはパルサーなど、周期的な電磁放射を観測できる天体が他にもあるが、18.18分間の周期はこれまで一度も観測されたことがないと、ハーレーウォーカー氏は説明した。

 過去数年分のデータを詳細に調べた結果、天体は約4000光年の距離にあり、途方もなく明るく、極めて強い磁場を持つことが立証された。

 この天体は、理論的には存在し得るが、これまで見つかっていない「超長周期マグネター」と呼ばれるものである可能性がある。マグネターは自転が極めて速く、非常に強い磁場を持つ中性子星の一種。

 崩壊した恒星の残骸である白色矮星(わいせい)の可能性もある。だが、ハーレーウォーカー氏は「これも極めて異例だ。白色矮星パルサーとして知られているのは1例だけで、規模も今回ほど大きくない」と指摘した。

 宇宙空間から飛来する、これほど強力で一貫性のある電波信号は、何らかの地球外生命体が送信した可能性があるかどうかという質問に対しては「異星人ではないかと心配した」ことを認めた。

 だが、研究チームは広範囲の周波数にわたって信号を観測することに成功。「これは、信号が自然の作用によるものに違いなく、何者かによって送られた信号ではないことを意味する」と、ハーレーウォーカー氏は述べた。

 今回の天体に関する研究チームの論文は、英科学誌ネイチャー(Nature)の最新版に掲載された。(c)AFP/Maddison Connaughton