【1月28日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)は27日、車いすの部クアードのシングルス決勝が行われ、今大会限りでの引退を発表していた世界ナンバーワンで大会第1シードのディラン・アルコット(Dylan Alcott、オーストラリア)は第2シードのサム・シュローダー(Sam Schroder、オランダ)に5-7、0-6で敗れ、その輝かしいキャリアに幕を下ろした。

 31歳のアルコットは、四大大会(グランドスラム)のシングルスで15勝、ダブルスで8勝を挙げるなど、クアードで最も成功を収めた選手で、昨年はシングルスで全てのグランドスラムとパラリンピックを制す、年間ゴールデンスラムの偉業を成し遂げていた。

 この日はロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)でストレート負けを喫し、有終の美を飾ることはできなかったが、試合後には涙をこらえながら「私は本当に世界で最も幸せな男だ。きょう勝たなくてもそれを実感できた」とコメントした。

 オーストラリアではスポーツ選手としてだけでなく、メディアでも存在感を誇るアルコットは、全豪オープンで計7度の優勝を経験。その他のグランドスラムでは全仏オープン(French Open)を3度、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を2度、全米オープン(US Open Tennis Championships)を3度制した。(c)AFP