【1月31日 AFP】ヤニタ・アントコ(Yanita Antoko)さん(30)は日本にいる夫との同居を望んでいるが、1年以上インドネシアで足止めされている。必要書類を取得し、手作りスパイスを販売する仕事もやめたが、日本への扉は閉ざされたままだ。

 政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため水際対策を強化しており、外国人の新規入国を原則的に停止している。先進7か国(G7)の中でも最も厳格な措置だ。その結果、37万人以上の外国人が入国許可が下りるのを待ちながら身動きが取れない状況に置かれている。

 オーストラリアも厳しい入国制限を導入していたが、渡航者の受け入れを再開した。だが、日本は今なお入国制限を続け、旅行者や商用客のみならず、新規の外国人労働者や留学生、その扶養家族も締め出されている。

「全然納得できません」とアントコさんは言う。インドネシア人の夫は日本の中部地方で技師として働いている。「結婚すれば、子どもが欲しいと思うのは当然です。だからこそ、一緒に暮らしたいと思っているのです」

 しかし、いつになれば同居が実現するのか見通しは不透明だ。

 世論調査によれば、現行の措置は国民に支持されている。岸田文雄(Fumio Kishida)首相は、少なくとも2月末まで同措置を継続することを決定した。

 ネパールのサントシュさん(28)も苦しい立場に立たされている。姓を明かさない条件でAFPの取材に応じた。

 日本で学位を取得し、日本語を習得。日本企業の国際マーケティング部門から内定をもらった。だが、2020年からネパールで足止めされ、入国の許可を待っている。

「日本で働く計画を諦めたら、日本で学んだ6年間が無駄になってしまいます」とサントシュさんはAFPに語った。「だから、ずっと待ち続けています」