【1月27日 AFP】米国は26日、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を禁止するというロシアの要求を拒否した。ロシアによるウクライナ侵攻の可能性については、ロシア側の準備が整っているとの見方を示した一方で、危機回避に向けた新たな「外交的道筋」も提示した。

 ウクライナ国境付近に数万人の兵士を集結させているロシアは1か月前、安全保障をめぐる一連の要求を提示。米国は、他のNATO加盟国との調整を経た上でこれに回答し、いかなる事態にも対応する用意があると表明した。

 米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、スイス・ジュネーブで21日に会談したロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と、近日中に再び会談する意向を表明。記者会見で、米国の回答は「ロシアの選択次第では、真剣な外交的道筋となる」ものだと説明したが、その内容は公表しないとした。

 欧米側からの提案としては、互いの安保上の懸念に対処するための「相互的」措置として、欧州でのミサイル削減、軍事訓練やウクライナ支援に関する透明性確保などを改めて提示。一方で、ロシア側の最大の要求であったウクライナのNATO加盟永久禁止について、米国が応じることはないと明言した。

 ロシアとの過去の協議を主導したウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)米国務副長官は、米国の警告にもかかわらず、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が2月中旬までにウクライナ侵攻に踏み切る準備ができているもようだと指摘。2月4日の北京冬季五輪開幕と重なることを避けるため、侵攻を遅らせている可能性があるとの見方を示した。

 北京冬季五輪では、プーチン氏が出席を予定している一方で、米国とその同盟国の一部は政府関係者を派遣しない外交ボイコットを表明している。(c)AFP/Shaun Tandon with Adam Plowright in Paris, Jonathan Brown in Moscow and Dmytro Gorshkov in Kyiv