【1月27日 AFP】米連邦最高裁判所のリベラル派判事3人のうちの一人であるスティーブン・ブライヤー(Stephen Breyer)氏(83)が、引退の意向を固めた。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が後任指名の機会を得ることになる。

 米テレビ局のNBCCNN、米主要各紙が一斉に報じたところによると、ブライヤー氏は、現在の開廷期間が終了する6月に引退する予定。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、同氏が27日、ホワイトハウス(White House)でバイデン氏と共に正式に引退を発表すると報じた。

 最高裁は現在、保守派判事6人とリベラル派判事3人で構成されている。ブライヤー氏の引退により、バイデン氏はリベラル派判事を指名することが可能になる。バイデン氏はかねて、最高裁判事に空席が生じた場合、後任には黒人女性を指名すると約束していた。

 最高裁判事の人事は、上院による承認が必要。上院は現在、バイデン氏の与党・民主党が過半数を占めている。同党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は声明で、ブライヤー氏を称賛し、上院はバイデン氏の指名した後任候補を慎重かつ迅速に承認すると表明した。

 最高裁判事の中で最高齢のブライヤー氏は1994年、民主党のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領によって指名された。ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は在任中、最高裁判事3人を指名し、保守派が6対3で優勢となる構図を確立した。(c)AFP/Charlotte Plantive and Chris Lefkow