【1月27日 AFP】シリア北東部ハサカ(Hasakeh)で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の襲撃を受けたグワラン(Ghwayran)収容所が26日、クルド人勢力によって6日ぶりに奪還された。同収容所ではIS戦闘員が立てこもりを続けていた。

 収容所にはIS構成員とされる3500人以上が収容されていたとみられている。ISによる被収容者解放の試みと、その後起きた戦闘により、双方合わせて180人以上が死亡。ISの「カリフ制国家」が3年前に崩壊して以来、ISが実行した作戦としては最大規模となった。

 ISは20日、爆弾を搭載した自動車による自爆攻撃で収容所への攻撃を開始。クルド当局は、脱走者はいなかったとしているが、在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は多数が解放されたと説明している。

 クルド人自治区の事実上の軍隊であるシリア民主軍(SDF)は26日、ISの被収容者約1000人が投降したとして、収容所の奪還を発表。シリア人権監視団も、襲撃の終了を確認した。

 6日間にわたる戦闘により、シリア北東部最大の都市であるハサカは戦場と化し、市民数万人が避難を余儀なくされた。シリア人権監視団によると、収容所とその周辺での戦闘で、IS戦闘員124人とクルド人戦闘員50人、民間人7人の計181人が死亡。ただ、戦闘終了に伴い、クルド人部隊と医療関係者が収容所内のすべての場所に入れるようになったため、死者数は増加する可能性がある。(c)AFP/Gihad Darwish with Layal Abou Rahal