【1月26日 AFP】カナダ・ブリティッシュコロンビア(British Columbia)州の先住民居住区は25日、寄宿学校跡で93の墓とみられるものを発見したと発表した。同国では昨年、各地の寄宿学校跡から何百人もの子どもの遺骨が見つかり、全土を震撼(しんかん)させた。

 先住民居住区ウィリアムズレーク・ファースト・ネイション(Williams Lake First Nation)は同日の発表で、寄宿学校「セント・ジョセフズ・ミッション(St. Joseph's Mission)」跡地を調査したところ、「人間の埋葬を示す」特徴が93か所で見つかったと明かした。

 昨年5月以降、宗教団体が運営していた「先住民寄宿学校」の周辺で1000以上の無名の墓が見つかり、カナダ史の暗部と先住民の強制同化政策に注目が集まった。

 政府は今月に入り、セント・ジョセフズ・ミッションでの調査に190万加ドル(約1億7000万円)を拠出すると発表した。

 当局によると、4000〜6000人の先住民の子どもが消息不明とされ、カナダ各地で寄宿学校跡地の調査が進められている。

 同国では1990年代までに、先住民の子ども約15万人が国内139か所の寄宿学校に送られ、家族から引き離された上、母語や伝統文化に触れないまま長期間の生活を強いられた。この問題に関する調査委員会は2015年、政府の失策は「文化的ジェノサイド(集団殺害)」に当たると結論付けている。(c)AFP