■性的虐待にいじめ

 選手同士の厳しい競争と潤沢な強化資金が、韓国を冬季五輪での大きな成功に導いてきたが、ショートトラックを含むいくつかの競技では、性的暴行や嫌がらせが起きている。

 沈も被害に遭った一人で、2019年に元コーチのチェ・ジェボム(Cho Jae-beom)被告に17歳の頃から3年以上にわたって性的暴行を受けていたことを告発し、その結果チェ被告は懲役10年6月の有罪判決を受けた。

 恥を嫌う、保守的な韓国社会の文化にあらがい、沈が被害を告白したことで、他に何人もの選手が同様の告発を行い、複数の関係者が謝罪に追い込まれた。同年には、ショートトラックの男子選手が女子寮に忍び込んで1か月の謹慎を命じられる出来事もあった。

 翌年には、平昌で男子1500メートルの金メダルを獲得した林孝俊(Lim Hyo-jun、イム・ヒョジュン)が、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)で有罪判決を受けた。林はナショナルトレーニングセンターで男子選手のズボンをチームメートの前で無理やり下ろしたとして訴えられ、有罪となった。しかし判決は二審で覆り、聯合ニュースによれば、最高裁も「事件は練習前に選手たちがふざけ合い、いたずらをする状況で起こった」と判断した。

 こうした不祥事続きの中でも、韓国ショートトラック界は最大の晴れ舞台である五輪で再び栄冠を手にすることを目指している。

 崔は報道陣に対して「このところふがいないショートトラックチームを、みんなが心配しているのは分かっている」と話している。(c)AFP/Qasim NAUMAN