【1月26日 People’s Daily】中国気象局の情報によると、これまでのところ、中国の気象衛星「風雲(Fengyun)」ファミリーの世界のユーザー「友達の輪」は121か国・地域まで拡大し、うち85が「一帯一路(Belt and Road)」沿線国・地域となっている。世界の92カ国・地域の1400人以上の研修生が、関連技術訓練を受けた。「風雲」ファミリーは国内外のユーザーにリアルタイムかつ無料でデータを公開し、これらの国・地域、さらには全世界の気象予報、自然災害、生態環境ガバナンスへの対応に重要な役割を果たしている。

 2021年12月13日、中国気象局国家衛星気象センターは次のデータを発表した。2019年1月の業務開始以来、「一帯一路星」と呼ばれる「風雲2号H(FY-2H)」は、毎日フルディスク雲画像28枚、北半球の雲画像20枚を受信している。現在まで受信した計5万5000枚の雲画像は、「一帯一路」沿線国・地域の気象の監視・予測、災害警報、農業生産および科学研究などの分野に幅広く応用されている。

「風雲気象衛星リモートセンシングデータサービスネットワークから取得した風雲2号Hの各チャンネル画像および雲頂温度、雲の分類などの製品は、われわれの日常の天気予報サービスに有益なコンテンツを提供した」。ナミビア気象庁のエンデネマ気象予報士は、先月の風雲気象衛星海外ユーザー大会で、中国気象専門家が現場で協力して配備した「風雲3号(FY-3)」気象衛星受信処理システムが「同庁にも設置され、衛星データのリアルタイム取得を実現した。これにより生成された湖、植生などの監視製品が、環境監視サービス能力を強化した。これは長年干ばつに悩まされているナミビアにとって極めて重要だ」と述べた。

 地球温暖化、異常気象がますます頻繁になっている今、「風雲2号H」だけでなく、「風雲」ファミリー全体が全力を尽くし「一帯一路」沿線国・地域、ひいては全世界の気象予報、自然災害、生態環境ガバナンスへの対応に努めている。先ごろ打ち上げられた軌道上のテスト段階にある世界初の明暗境界線を軌道とする民間用気象衛星「風雲3号E(FY-3E)」と、中国の次世代静止気象衛星「風雲4号B(FY-4B)」に対し、すでに海外ユーザーからなるべく早く利用したいという早めの「受注」を受けた。

「われわれは今年すでにスリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、ネパールなどの国に向け緊急保障メカニズムを20回以上稼動させ、ダム決壊、火山噴火、大雨などの災害に備えている」。国家衛星気象センターの王勁松(Wang Jinsong)主任は、中国は現在、「風雲4号A(FY-4A)」、「風雲3号D(FY-3D)」、「風雲2号H」を国際災害チャーター(CHARTER)の「当直衛星」の序列に加えるよう働きかけていると発表した。

「事実上、データサービス、情報受信プラットフォームからリモートセンシング応用製品および技能訓練まで、すべて無償で提供されており、データ取得の面で海外ユーザーは中国ユーザーと同等の待遇を受けている」と、中国気象局リモートセンシング応用サービスセンターの咸迪(Xian Di)副主任は述べた。

 欧州や米国などの先進国では、データ同化、短時間予報、海洋モニタリングなどの業務や研究に使われる風雲気象衛星データも年々増加している。

「第14次五か年計画(2021〜2025年)」期間中に、中国はさらに5基の気象衛星を打ち上げ、2035年までに第3世代の風雲気象衛星総合観測システムのモデルチェンジを実現する見込みだ。(c)People’s Daily/AFPBB News