【1月26日 AFP】台湾国防部(国防省)は25日、中国軍の新型電子戦機「殲16D(J16D)」の防空識別圏(ADIZ)進入を初めて確認したと明らかにした。台湾にとって新たな脅威となる。

 24日に進入した中国軍機13機のうち、2機が殲16Dだった。23日にも1日としては過去2番目に多い39機が進入していた。

 中国共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)によると、殲16Dは昨年9月、航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会(Zhuhai Air Show、珠海航空ショー)」で初めて公開された。電波妨害装置4基、電子戦ポッド2基を装備しており、胴体下にはミサイル2発を搭載できる。

 台湾国防部系のシンクタンク「国防安全研究院(INDSR)」の舒孝煌(Shu Hsiao-huang)氏は殲16Dについて、電波妨害に加えてミサイルでレーダーを破壊して敵の防空能力を弱体化して「攻撃の突破口を開く」ことができると説明。「台湾の防空にとって大きく新たな脅威だ」と評した。

 環球時報は25日、社説に「人民解放軍(PLA)の機体は、遅かれ早かれ台湾周辺だけでなくその上空も飛行できるようになる」と記した。(c)AFP